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草 木 で の 染 色

自然界で得られる色を然染めることを「草本染め]と呼んでいます。一見、茶色や緑でしかないような木の皮とか草から、さまざまな色に染まるので、意外性があって、おもしろいものです。不思議なことに、きれいな花の赤や贈、若葉の緑色などは、抽出した時点でもはや色を失ってしまったり、染めてもすぐに褪せてしまったりして、布の染料にはなりません。草本染めには、自然が持っている隠れた色を見つけるという楽しみがあります。
染めの専門家は、大きな鍋を使ったり、大掛かりなことをしているので、難しそうという印象かおるかもしれません。たしかに、染めはたいへんに奥が深い分野なのですが、ここでは、染めの技術そのものを極めるのを目的とせず、ハンカチなどの小物を手軽に染める方法を紹介します。



用意するもの

■道具
・ボウル(ホーロー・ステンレス) バット(ホーロー・ステンレス)
・水きりネット(不織布) ・ポリバケツ
・計量カップ/計量スプーン ・寸胴(ホーロー・ステンレス)
・ゴム手袋温度計 ・台ばかり
・さいばし ・植木バサミ
・ミキサー ・温度計
・輪ゴム

例えばハンカチを染めるなら、それほど大きな容器は必要ありません。
家庭で使用しているホーローやステンレスの鍋でも代用できます。
ただし、鉄やアルミ、銅でできた鍋類は化学反応を起こしますので使用は避けるようにして下さい。


■媒染剤

草木染めは、植物を煮て色素を抽出して染めますが、染液で染めただけでは色が安定しないことから、水に溶かした金属等と化学反応させて、固着・発色させます。この工程は「媒染工程」といい、金属等の液を「媒染剤」といいます。
 媒染剤には、多くの種類がありますが、ここでは、広く使われる安全な媒染剤を紹介します。

明礬(みょうばん)
硫酸アルミニウムカリウムのこと。
「焼みょうばん」と「生みょうばん」があり、「焼みょうばん」は料理に使うので薬局やスーパーで買えます。「生みょうばん」は、染料店で入手できます。
染布の重さに対し、8~10%使用。
酢酸アルミニウム アルミ媒染剤として、最も多く使われます。
染料店で入手できます。
染布の重さに対し、5%使用。
木酢酸鉄 渋く暗い色に染まります。
染料店で入手できますが、手作りもできます。
染布の重さに対し、3%使用。
《手作り》 さびた鉄くぎ 100g
      湯      100cc
      食酢     100cc
材料をビンに入れて、1週間ぐらい寝かせます。その後、液を布で濾して完成。
酢酸銅 粉末の銅は劇薬なので、濃度の薄い液体が染料店で入手できます。手作りもできます。
染布の重さに対し、3%使用。
《手作り》 銅線      50g
      湯       100cc
      氷酢酸(99%) 30cc
材料をビンに入れて、2週間ぐらい寝かせます。液がブルーになったら完成。
ハイドロサルファイト・コンク 還元剤。
藍染めに使用。
過酸化水素水 酸化剤。
オキシドールのこと。

■助剤

木綿や麻などの植物性繊維は、セルロースでできているため、羊毛や絹のようにタンパク質でできている動物性繊維に比べ、染まりが悪いです。そのため、助剤処理が必要になります。
 植物性繊維に、人工的にタンパク質加工するのが助剤です。



草木染めの手順


茜の根の部分を乾燥させたもの
色素が抽出しやすいよう粉砕した染材を計量
液が汚れないように染材を布袋に入れます
沸騰させて染液を煮出します
布袋を取り出します
色素を抽出した染液は布で漉します
規定量の媒染剤を量ります
染める布は染める時にむらにならない
ようにあらかじめ水に浸しておきます
媒染液に浸します
一定時間が経過したら布を取り出し水洗い
してから染液の中に入れ、沸騰させて煮ます
時間がきたら火を止めて染液とともに冷ましてからよく水洗いします
よく乾燥させます
染め上がった作品です

染める布・糸について
繊維の種類はおおまかに分けて、動物性繊維(ウール・シルク)、植物性繊維(綿・麻)、化学繊維(ナイロン・アクリル・ポリエステル) などがありますが、よく染まるのは動物繊維です。
動物繊維は刺激に弱く、デリケートなので、染めにあたっては丁寧に扱う必要があります。煮染めのあとに急激に冷たい水にさらすのも避け、自然にゆっくり冷えるのを待つようにします。
化学繊維は一般にまるで染まらないのですが、ナイロンだけは非常によく染まります。植物性繊維では、綿が比較的染まりやすいです。
どの繊維でも、油分や糊がついていると水をはじいて染まりませんので、新品であっても、染めの前によく洗うことをお勧めします。


染色方法
①花びらだけを、布の重さの1~3倍用意する。
②0.3Lの水に、氷酢酸(99%)10ccと、花びらを入れ、ミキサーにかける。
③ボウルに水きりネットをかけ、その中に液を入れ、ネットの口を輪ゴムで縛る。
④ボウルに水0.7Lをたし、ネットごと花びらをよく揉んで液を搾り出す。
⑤ボウルを火にかけ、沸騰後、中火で15分煮出す。
⑥ボウルから水きりネットを取り出す。
⑦染める布をお湯でよく洗い、糊を落とす。豆汁下地をした綿布も、水につけ、よく水分を浸透させる。
⑧布をしぼって染液につけ、むらにならないようにかき混ぜながら、気泡も抜く。
⑨布を浸けたまま、染液が完全に冷めるまで置く。
⑩染液が冷めたら、布を流水でよく洗い、脱水して日陰干しにする。
⑪乾いたら、アイロンで仕上げる。
①枝を採取し、汚れをとる。
   枝は、布の重さの2倍~5倍が必要。
②枝を4~5センチにカットし、水きりネットに入れて、口を輪ゴムで縛る。
③鍋に、水4Lとネットに入れた枝を入れて煮る。
④沸騰したら、中火で40分煮て、ネットを取り出す。
⑤染める布をお湯でよく洗い、糊を落とす。豆汁下地をした綿布も、水につけ、よく水分を浸透させる。
⑥染液にしぼった布を入れ、再び煮る。
⑦沸騰したら、弱火で15分煮る。そのとき、むらにならないように、かき混ぜながら、気泡も押し出す。
⑧鍋に布を浸けたまま、染液を冷ます。
⑨お湯に媒染剤を溶かし、媒染液を作る。
   布の重さに対して、鉄2%・銅3%・アルミ5%・明礬8%が必要。
   布の量が少ないときは、湯1Lに対し鉄3g・銅3g・アルミ3g・明礬4gを、それぞれに溶かして一定の濃度にしてもよい。
⑩媒染液の中に染めた布を浸け、気泡を押し出し、20分間浸けて置く。
⑪染液の入った鍋に布を戻す。
  何種類かの媒染液を使った場合、染液もその数に分ける。
⑫再び火にかけ、中火で20分煮る。
⑬火を止めたら、そのまま冷まして、一晩置く。
⑭ゴム手袋をして布を取り出し、流水の中で振り洗いする。染液をしっかり落とし、きれいな水になるまで洗う。
⑮30秒程、脱水機にかけ、形を整えて日陰干しにする。
⑯乾いたら、アイロンを当てて仕上げる。
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